縦横無尽 神田古本屋街全ガイド 愛蔵版
- 編者
- アミューズ
- 出版社
- 毎日出版社
- 発行日
- 1998.4.20
- シリーズ名
- 毎日ムック
- メモ記入日
- 1998.4.17
〈メモ〉
雑誌『アミューズ』での数度に渡る特集をベースに新たに取材を加え、「古書店を完全網羅」した決定版、ということになるのかな?
写真を中心としたビジュアルな誌面構成、と書くと「古書店を紹介するのにビジュアルにする必要があるの?」と思われる御仁もいるやもしれぬが、いやいや、これがどうして。本の並べ方や積み重ね方のひとつ一つにその店の個性が表現されていて、見ていて楽しくてたまらない。楽しすぎて、ここのところ神田古書店街、行ってないよなあ、久しぶりに行きたいなあ、という気分になってしまって困る。行ったら最後、絶対手ぶらでは帰ってこられないところなんだよな、あそこは。
各店の位置は当然として専門分野など特色についても(私の知っている限りでは)うまく押さえており、ガイドブックとして結構使えそう。ここにもこんな店が……という発見も少なくなかった、のは私の勉強不足のせいかな、やっぱり。目録中心の店についても、ちゃんと紹介しているのが偉い。
飲食店についても取り上げているが、ちょっと数が少ないかな、という感じ。まあ、それは自力で探すのが正しい態度か。
巻末には山下武、紀田順一郎、逢坂剛、出久根達郎、池谷伊佐夫という豪華メンバーのインタビュー記事を収録。この人選を見る限り、編集してる人たち、結構分かってるよね。
古本屋に関する蘊蓄的なコラムなど、やや喰い足りない部分もあるが、ガイドブックとしての役割を考えれば、まあこんなものかな、という気も。むしろ、本そのものではなく、店と店主に焦点をあわせることで、古書の魅力を表現しようとしたところがポイントだろう。ああ、もっと本が読みたい……。
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